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番外編災いの、連鎖

間一髪入れずりょうお兄ちゃんから電話が来た。 ーさっきのメールは何だ?ずいぶんとまぁ、いい度胸をしているな。あと何分でこっちに着くんだ?ー 「あと何分と聞かれてもなぁ。十時間はかかるぞ」 は?りょうお兄ちゃんの声色が変わった。 「この大雨で高速道路が通行止めで明日帰ることにしたんだ。心と未知が隣にいる。まさに両手に花。俺は果報者だ」 ー喧嘩を売っているとしか思わんがー 「勝ち目のない喧嘩は売らない。ただ自慢しているだけだ。メールは俺じゃなく未知からだ。代わるか?」 ーいや、いいー 「強がることないだろ?」 ー誰が強がっているって?ー 「未知と話したい癖に痩せ我慢するな」 ひろお兄ちゃんからスマホを渡された。 「りょうお兄ちゃん」 ドキドキしながら話し掛けると、 「未知」りょうお兄ちゃんじゃなくて光希さんの声が聞こえてきた。心配そうな声だった。 「光希さん、お久し振りです」 ー久し振り。声を聞けて嬉しい。未知は?ー 「僕も嬉しいです」 ーごめんね。しょうもないことで喧嘩して騒いで。はた迷惑もいいところだよねー 「しょうもないことじゃないです」 首を横に振った。

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