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番外編災いの連鎖

ーネットニュースで駅裏のショッピングセンターで火災が起きた。強風で消火に手間取っていると書いてあったから、龍に場所を聞いたんだ。そしたらN総合病院のすぐ目の前だって教えてもらって。だから未知が無事か心配で寝れなくて。あ、そうだ。斉木とは連絡が取れているんだろ?ー しどろもどろになりながら言葉を紡ぐりょうお兄ちゃんに、鈍感な僕でもピンときた。 「もしかして喧嘩の原因って僕ですか?」 ーなんで分かったの?ー 光希さんの驚いた声が聞こえてきた。 「なんとなく……です」 りょうお兄ちゃんも彼と同じでかなりの心配症だ。そんなに心配なら電話を掛けたらと光希さんと龍成さんに言われたんだと思う。りょうお兄ちゃん、シャイでツンデレで素直じゃないから。まどろっこしいくて見ていられない。俺が兄貴の代わりに電話を掛ける。電話くらい自分で掛けられる。それできっと龍成さんと口喧嘩をはじめたんだと思う。 「だから言ったろ?しょうもないことで喧嘩をはじめたって」 ぷぷっとひろお兄ちゃんが愉しそうに笑った。 ー高速道路も上下とも事故の影響で通行止めになっていると聞いた。裕貴、くれぐれも安全運転で帰ってこいよ。スピードは控え目になー 「肝に銘じます。未知の元気な声を聞いて満足したでしょう。そろそろ切りますよ」 ーまだ喋りたいー 「今何時だと思っているんですか?未知も疲れているんですよ」 ーまだ宵の口だろ?夜はこれからだー りょうお兄ちゃんが口を尖らせた。

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