2974 / 3632

番外編災いの、連鎖

「橋本はどんだけの恨みを買ってんだべ」 斉木先生が眠り眼を擦りながらあくびをしながら帰って来たのは翌朝四時ごろだった。 「闇サイトで橋本に仇討ちがしたい、代わりに殺してくんちょという依頼が出回っているなんぞこれっぽも知らなかった。混乱に乗じて聡太を浚う腹積もりだったんだべ、恐らく。最強ぱぱたんと鞠家さんがいるんだ。おったまげて尻尾を巻いて逃げて行った。いやぁ~~惚れ惚れした~~」 「ウーに焼もちを妬かれても知らないぞ」 「なんだべ。裕貴さんまだいたのか?昨夜帰らなかったのか?」 「いろいろあってな。これから東京に帰る」 「仕事が忙しくなかったらおめさんともっと話しが出来たのに残念だ」 「盆休みになったら遊びに来る。ここは心にとって心が休まる実家みたなところだからな」 「そうだな。裕貴さんとさしで呑むのと、またいっきゃえるのを楽しみにしている。達者でな。千ちゃんと弓削さんたちにも宜しくな」 「分かった。斉木先生も元気で。妹を頼んだ」 「任せてくんちょ」 彼が寝ている優真くんを横に抱っこして連れてきた。心さんと七海さんも一緒だ。 「裕貴さん、これで優真くんにアイスでも買ってやってくれ」 ひろお兄ちゃんにポチ袋を渡す斉木先生。 「逆に気を遣わせて悪いな」 「悪くねぇ。気持ちだ気持ち」 「遠慮なくもらうぞ」笑いながら受け取った。

ともだちにシェアしよう!