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番外編誰よりも焼きもちを妬いたのは……
「裕貴ばっかズル~~イ!」
唇を尖らせて不満を口にしたのは彼でも紗智さんでもなく青空さんだったから驚いた。
「次、俺。その次はハチだ。十分交代な」
「裏声で急に何を言い出すかと思ったら……あのな、青空……」
ひろお兄ちゃんがやれやれとため息をついて、額に手をおいた。
「姐さんを独り占めしようなんぞ100年早い」
泣く子も黙る龍一家の組長相手に物怖じしない青空さん。幹部の皆さんが生きた心地がしなかったと思う。額から冷や汗がだらだらと流れていた。
「青空は姐さんが好きなんだな」
「当たり前だ。尊とハチと同じくらい大切で、大事で、大好きだ。なんか文句があるか」
「ある訳ないだろう。良かったな青空」
「何がだ?」
「姐さんに出会えたこと、ハチに出会えたこと、神様とオヤジに感謝して、これからも姐さんのことを頼んだぞ」
「どんと任せろ」
青空さんが拳を胸に当てた。
「オヤジ」蜂谷さんが彼に声を掛けて自分のスマホを渡した。
「根岸さんからです」
組事務所の留守番を頼んでいた根岸さんから電話が掛かってきた。嫌な予感がしてならなかった。
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