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番外編誰よりも焼きもちを妬いたのは……
「道路の真ん中で倒れている女性がいると110番通報があった。救急車が現場に急行しすぐに病院に搬送されたが依然として意識不明の重体だ。女性は寝巻き姿で裸足だった。身元を示すものは何ひとつ持っていなかったが、ポケットからくしゃくしゃに丸められた手紙が見つかった」
「弓削宛ての手紙か?」
「察しがいいな。その通りだ。久弥にサツが任意で事情を聞きたい。捜査に協力して欲しいと。どうする?無理強いはしない」
チラッと森崎さんを見上げる久弥さん。
「俺と久弥は運命共同体だ。地獄だろうが天国だろうが、どこでも一緒に行くぞ」
「森崎さん、ありがとう」
「橘も連れていこう。橘がいれば鬼に金棒だ。頼んでくる」
森崎さんが台所に急いで向かった。
「根岸と伊澤も一緒に行くと言ってる。久弥、気をしっかり持てよ」
「卯月さんありがとうございます」
久弥さんが深々と頭を下げた。
「安心は禁物だ。誉がいるということは神政会もすぐ近くにいるということだ。どっから弾が飛んでくるか分からない。くれぐれも気を付けろよ」
顔色ひとつ変えず物騒なことをさらりと言われ、久弥さんの顔から血の気がさぁーっと引いた。
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