3015 / 3589

番外編海堂さんが四季さんに固執する理由

焼きもちを妬いて怒ってるか、ぶすくれているか、それとも気にしてないか。ドキドキしながら電話に出ると、地竜さんは鼻歌まじりに歌っていた。 ー子守唄だ。陽葵が寝るように。未知が卯月だけでなく俺にも見惚れるように爽やか系のいい男になってやる。俄然やる気が出てきた。待っててな。未知の声を聞いたら、未知をこの手でぎゅっと抱き締めたくなった。俺、やっぱり未知が好きだ。誰よりも愛してるー 情熱的に囁かれ、ぽっと頬が赤くなった。 ー未知、譲治は元気か?ー 「はい。いつもと何ら変わりなく元気だと思うんですけど鍋山さんに聞いてみますか?」 ーいや、そこまでしなくてもいいー 「太惺と心望と遥香と幸ちゃんと青空さん。だいたいこのメンバーでいつも遊んでいるんです。泥んこになって遊んだり水遊びしたりシャボン玉で遊んだり。洗濯が大変だって紫さんが嘆いていました。泥団子作りなんかすごく上手なんです。子どもたちと譲治さんが遊んでいる写真を送りますか?」 ー楽しみに待っているよ。譲治も青空も童心にかえっておもいっきり遊んでいるのか。はしゃぐたいくんとここちゃんの笑顔が目に浮かぶようだ。希実が亡くなり気持ちの整理がつかないのか達治がいろいろ問題行動を起こしているみたいだからそれで心配になったー 「子どもたちは敏感ですかね。誰に言われた訳でもないのにみんなで譲治さんを元気づけて励まそうと頑張っているんですよ。地竜さんお久し振りです」 ー橘か。久し振りだな。来月誕生日だろ?二週間くらい早いがプレゼントを送っておいた。明日には届くはずだー 「ものすごく嫌な予感がするんですけど」 ーびっくり箱じゃないから安心しろー 「安心出来ないから言っているんです」 ー今度こそ真面目に選んだぞー 地竜さんがくくくと愉しそうに笑いだした。

ともだちにシェアしよう!