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番外編悔やんでも悔やみきれないこと

ー夢に希実が出てくるらしい。何で助けてやれなかったのか自分の行動や選択を責め自己嫌悪に陥っている。希実と譲治を連れて何で逃げなかったのかと後悔ばかりしている。不眠症になり日中居眠りをして注意され、注意散漫で何度も車をぶつけそうになったり。何とかして新しく人間関係を築こうとしたり。ストレスからだろう。呑めもしない酒を浴びるように飲んでは暴れて、自傷行為に走る。遼成も龍成もかなり手を焼いているー 譲治さんには鍋山さんがいる。口ではああだこうだと言いながらもありのままの譲治さんを受け止めてくれる。 ー誰も達治の面倒をみたがらない。そりゃあそうだ。噛まれるからな。鍋山みたいに譲治に噛まれても叩かれても抱き締めてくれる海みたいに心が広い男がいればいいんだが……縣一家の幹部連中は揃いも揃ってみんな頭が固く気が短い。瞬間湯沸かし器だー 縣一家の若い衆で真っ先に名前が浮かんだのは玲士さんとコウジさんだった。玲士さんはゆくゆくは亜優さんの伴侶になり、縣一家を出る人間だ。置いてきぼりされた達治さんは今よりもっと心に深い傷を負うはず。それならコウジさんに頼むしかない。 よその組のことに口出し禁止。それは分かっているけど、達治さんをどうしてもほっとけなかった。

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