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番外編悔やんでも悔やみきれないこと

「橘さん、達治さんとコウジさんを一旦菱沼組で預かるのは駄目ですよね?」 「駄目ではありませんよ。遼成さんと遥琉と鞠家さんに許可をもらわないといけませんが」 「もし玲士さんが来たら亜優さん恥ずかしくて逃げ回ると思うんです。優真くんみたいに押入れに隠れて当分出てこないと思うんです。だから玲士さんよりコウジさんのほうがいいのかなとそう思ったんです。譲治さん、いつも弟の達治さんに気を遣い、いまだに敬語を使っているんですよ。達治さんとは取っ組み合いの喧嘩も口喧嘩もしたことがないと話していました。昔達治さんをちょっとだけでも泣かせただけで親からひどい折檻を受けたみたいで、それがトラウマになっていると。だったらここに達治さんを連れてきて取っ組み合いの喧嘩でも口喧嘩でもさせれば譲治さん、負けるかも知れないけど、達治さんに対して敬語を使うこともいちいち気を遣うこともビクビクしながら顔色を伺うこともなくなると思うんです。明日何があるか分からないのが人生です。ぎくしゃくしたまま一生会えなくなることだってあり得るかもしれない。あのときちゃんと膝を割って話をすれば良かった。後悔しても遅いと思うんです」

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