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番外編悔やんでも悔やみきれないこと

「子どもたちがいる前で喧嘩をさせる訳にはいかないから、預かるなら組事務所でだ。物が飛んできて子どもたちに当たったりしたら大変だからな」 彼が部屋に入ってきたから驚いた。しかも全部話しを聞かれていた。 「抜けがけ禁止といわなかったか?油断も隙もない」 ー四六時中一緒にいれるんだ。少しくらい貸してくれ。画面越しでしか会えないんだからー 眼鏡を外すと、前髪を指で搔きあげた。地竜さんにとっては何気ない仕草だったかも知れないけど、どきっとするくらい色っぽくて、「もうやだー」 「どうした未知?」 彼の背中に慌てて隠れた。 「何でもない」 ぶんぶんと首を振った。 ーもしかして腕輪じゃないか?ー 「いや、違うだろ」 いつものように仲良く口喧嘩をはじめた二人に、 「お二人は何年未知さんといるんですか?」 橘さんが苦笑いを浮かべていた。 遼お兄ちゃんに彼がすぐ連絡を入れてくれた。こっちもいろいろあって今すぐには無理だ。達治が落ち着いてからでいいと言ったのに、 ー明日にはそっちに向かわせるー 「さっきの話し、聞いてたか?」 ー聞いていた。人手はいくらあってもいいだろー 「人手は足りている」 ー本当か?鞠家と柚原は子守りをしているから不在だと聞いたぞー 「誰に」 ーさぁ~~誰だろうなー 思わせ振りな態度をとる遼お兄ちゃん。結局押し切られてしまった。

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