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番外編孝行息子たち
「わっ!わっ!」
亜優さんの驚いた声が聞こえてきた。
「起きたら玲士さんがいるんですもの。若いっていいわね」
「そうですね」
橘さんと紫さんは縁側に腰を下ろし庭を眺めながらグリーンピースのさやを取り中身をボールにいれていた。今夜はグリーンピースご飯だ。
「譲治は無事に達治に会えたかしらね」
心配そうに柱時計に目をやる紫さん。
「仲直り出来ればいいけど……弓削とヤスは血が繋がっていない兄弟分だけどすごく仲がいいでしょ?今は無理でもいつか仲直りしてもらいたい。そうじゃなかったら希実さんもいつまでたっても成仏出来ないわ」
譲治さんは希実さんも達治さんに会いたがっていたと、遺影を両手で抱き締めて達治さんに会いに行った。
「あら壱東じゃないの。譲治と一緒にいなくていいの?」
「譲治には鍋山の兄貴がいます。甘やかしていたらいつまでも一人立ち出来ません。心配ですが、私がいたのでは余計に話しが拗れますから」
壱東さんから、二人は一言も発せず、達治さんは何度も大きなあくびをして退屈そうにふんずりかえってソファーに腰掛けていたと話しを聞いた紫さん。
「壱東、帰ってきたばかりで悪いけど私を組事務所に送っていってくれないかしら」
「は、はい。分かりました」
いろいろと思うことがあるみたいで、紫さんは割烹着を着たまま壱東さんを伴い急いで出掛けていった。
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