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番外編孝行息子たち
「太惺、心望、手掴みで食べちゃ駄目。ていうか生のまま食べたらまたお腹が痛い痛いになっちゃうよ」
亜優さんのところにいたはずの太惺と心望が気付いたときには目の前にいたから驚いた。
亜優さんが起きたと教えに来てくれたのかな?僕と橘さんの袖を掴むとツンツンと引っ張った。
「亜優さんを助けに行ってあげてとでも言ってるみたいですね」
「そうですね」
「亜優さんはうぶなシャイボーイですからね。あまりしつこくすると余計に嫌われるのに。玲士さん亜優さんが好きなのは分かりますけど、困ったものですね」
橘さんがやれやれとため息をつきながら立ち上がった。
「たいくん、ここちゃん、初物のとうもころしだよ」
段ボールいっぱいのとうもろこしを抱えヤスさんが姿を現した。
「知多半島に住んでいる度会さんの古い知人が送ってきてくれたんだ。そのうちスイカも届くから楽しみに待っててな」
段ボールを二人の前に置くと、笑顔で頭を撫でてくれた。
「ヤスさん、こんにちは。ちょうどいいところに来てくれました」
不意に橘さんに声を掛けられギクッとするヤスさん。
「ヤスさん、ちょっと顔を貸してください」首根っこをむんずと掴むと有無言わさず連れていってしまった。
とうもろこしに興味津々の二人。両手で持ち上げ、そのまま食べようとしたから、
「たいくん、ここちゃん、こうやってむくんだよ」
二人にやって見せると、わぁ~~と言いながら皮を一枚ずつはがしはじめた。
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