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番外編孝行息子たち
なかなか電話に出なかった。平日だし信孝さんは仕事で、ナオさんもしかしたら病院かな?と思っていたら、
ー姐さん、何かありました?ー
電話に出たのは信孝さんだった。
信孝さん誰?ナオは寝てろ。
ー姐さん、服を着るんでちょっと待ってもらっていいですか?ー
「すみません、寝ていたのに起こしてしまって」
ーたまたま偶然休みが取れので、晴と未来を幼稚園に送っていって、そのままナオとドライブに出掛けたのですが……ー
「インター沿いに建つフェアリーホテルに直行したのでしょ?平日だし、フリータイムにすると格安ですしね、夕方までのんびり過ごすつもりだったのでしょ?」
ーげ、いるならいると言ってくれ。なんでホテルの名前まで知っているだよー
「当てずっぽうです。別に邪魔しませんよ。そこにいるから安心です」
ー何が安心なんだ?ー
ー別になんでもありません。こっちのことですー
橘さんに電話を切るように言われ、電話を切った。
信孝さんは渋川さんが来ていることを知らなかった。
「遥琉のことです。ややこしいことになるのが目に見えていたからわざと言わなかったのかも知れませんね。フェアリーホテルは天然温泉のラブホでして、最近オープンしたばかりです。各部屋に露天風呂と内風呂があって、ナオさんが一度でいいから行きたいと言っていたんです」
「そうなんですね」
「未知さんも遥琉に頼んだらどうですか?遥琉のことです、喜んで連れていってくれると思いますよ」
橘さんに言われドキッとしてしまった。
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