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番外編弓削さんからの手紙

弓削さんからの手紙には几帳面な字で、白雪義夫とハツのことを裕貴から聞いた。姐さんと久弥に危害を加えていなか心配で眠れなかった。義夫は片山組と切っても切れない因縁があり、ヤクザが大嫌いだ。その嫌いなヤクザに身内がなったものだから、ますます毛嫌いし、今に至っている。樋口という女のことも聞いた。義夫の女癖の悪さは昔からだ。女で身を滅ぼしても自業自得だが、ハツのことだけはどうか助けてくれと裕貴に頼んだ。そう書かれてあった。そしてしらゆき美容室の間取りのメモがなぜか添えられていた。弓削さんのことだからなにかがおかしいと直感で感じたのかも知れない。久弥さんに聞けば分かるかなと思いスマホに手を伸ばすと、 「お願いだからスマホを持っていかないで~~!ママ、もしもししたいから返して~~!」 やっぱり太惺のほうが早かった。 追い掛けると、キャキャとはしゃぎながら逃げ回った。スマホがべたべただ。無理矢理取り上げたらそれこそギャン泣きだ。代わりのものを渡そうにもここには太惺のお気に入りのおもちゃはない。どうようかと思っていたら、 「たいくんだめでしょう。ママに返そうね」 ランドセルを背負った一太に助けられた。 「あれ、今日早かったの?」 「先生たちのお勉強会があるから。パパが迎えに来れないからって、根岸さんと伊澤さんが来てくれたんだ。たいくん今日は宿題ないからあそべるよ」 そのまま連れていってくれた。

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