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番外編新たな波乱の予感
「坊っちゃんマジで可愛いっすね」
「だろう。なんせ根岸さんの孫だからな」
「根岸って……もしかして……」
ヨシユキさんが一瞬固まった。
「もしかして知らなかったかのか?」
「はい、今はじめて知りました。オヤジもカシラも肝心なことは何も話してくれないから……」
ヨシユキさんの表情が翳りを帯びた。
ヨシユキさんはもしかしたら悠仁さんを知っているのかも知れない。そんな不安がふと脳裏を過った。
「遥琉さん」
彼の服をつんつんと引っ張った。
「未知も勘づいたみたいだな。さすがは俺の女房だな」
「奏音くんと一緒にしておいて大丈夫?」
「悠仁とどんな因縁があろうが、奏音は縣一家の組長の伜だ。部屋住みの若いのが組長の倅に手をだしたらどうなるかヨシユキだってそのくらい分かる。連帯責任でコウジも破門になる」
「そのくらいで済めばまだいいほうだ。指を詰められ、仏さんとなって海に浮かぶ」
「それとも生きたまま埋められるかだ。縣一家の組長はあぁ見えて一番おっかねぇからな」
幹部の皆さんが一様に顔を強ばらせ震え上がった。
先代の遼禅さんは気が短く、頭に血がのぼると何をしでかすかわからない。だからみんなに恐れられていた。
「遼禅さんと遼は違う。でも、遼も龍も親バカだからな、倅のことになると人が変わるかもな」
彼まで物騒なことを口にしていた。
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