3049 / 3561
番外編自分の気持ちに向き合う勇気
聡太君を引き取り橋本さんとは別々の道を歩むと決心した真山さん。決着をつけるところを見届けてから渋川さんは帰途についた。一方の真山さんはお祖父ちゃんとお義父さんを頼り、聡太くんを連れて岳温泉へと向かった。二人は袂を分け、別々の人生を歩みだした。
「唯一まともな真山がいなくなって大丈夫か?」
「地竜も覃と宋をてのひらでうまく転がしているんだ。渋川にだって出来る」
「例えばの話し、佐治と交換でとなったどうする?」
「その時はその時だ。覃と宋を上回る変態はそうそういないだろう」
彼と鞠家さんが膝を突き合わせて話しこんでいた。
「ヨシユキの件ですが……」
「長盛《ながもり》与志之《よしゆき》。元の苗字が洌崎だろ?」
「さすがはオヤジだ」
「目の辺りが恒太郎さんになんとなくだが似ているような気がした。これも何かの縁かも知れないな。あとはヨシユキと悠仁がどこで繋がっているか、それをまずは調べないとな。問題が山積だが、鞠家頼むな」
「分かりました」
ヨシユキさんは洌崎さんの甥っ子じゃないかと彼。どういった経緯で縣一家に入ったかを聞くためにコウジさんと玲士さんを呼んだ。
ともだちにシェアしよう!