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番外編自分の気持ちに向き合う勇気
「出血があるかもしれませんのでタオルを下に敷いてください。遥琉、たいくん、目が覚めたみたいなので連れていきますね。ここちゃんももぞもぞ動いているのでもしかしたら起きるかも知れませんが、もし起きたら頑張ってあやしてくださいね。では、お邪魔しました」
「起きてなんか……あれ」
彼と目が合うなりわぁーと大きな声で泣き出す太惺。
「ずっと起きてましたよ。放置はいつものことなので別に咎めはしませんが、たまには子どもたちを見てください」
「はい、分かりました。どうもすみません」
「今夜はやけに素直ですね。遥琉、早めに未知さんを寝かせてあげてくださいね」
「任せろ」
彼が自信に満ちた表情で胸に手を置いた。
「そっとしておけば寝るかもしない」
「でも……」
ちらちらと子どもたちを見ると、
「構ってくれないとブスくれるぞ。それでもいいのか?」
「それだけは駄目です」
仏頂面で顔を覗き込まれ、慌てて首を横に振った。
「五分だけだ。甘えさせてくれ」
ふふっと愉しそうに笑う彼。
恥ずかしがり屋の僕のために照明を落としてくれた。
「大丈夫。最後まではしない。未知はどこかしこも甘い匂いがする」
胸の膨らみに頬を寄せられ、ふうっと乳首に息を吹きかけられ手足がびくついた。
「遥琉さん駄目」
体を上にずらそうとしたら、逞しい腕に阻まれ引き戻された。
乳輪ごと胸の尖りを口に含まれ、四肢に震えが走った。
そのとき心望が足をバタバタさせて、ゴロゴロと僕たちのほうに転がって来たからかなり焦った。
この状態でもし目が覚めたらと思うと生きた心地がしなかった。
心望がもごもごと口を動かしながら、吸い寄せられるように僕の体にペタッとしがみついてきた。タグがないとでも言ってるのかな?腰のあたりを触られてくすぐったかった。
あまりの可愛い仕草に彼と一緒に笑ってしまった。
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