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番外編本部からの緊急召集
「は?」蜂谷さんが怪訝そうに眉を寄せた。
(オヤジも鞠家もいない。ナンバー3はお前だろ、違うか?)
(俺は4番目だ)
柚原さんが指を四本立てた。
目だけで会話が出来るから二人はある意味すごい。
「しゃないな。分かったよ」
結局折れたのは柚原さんの方だった。面倒くさいなとぶつぶつ言いながらも組員と若い衆のまえに立つと、きりりと表情が引き締まった。
「オヤジが留守の隙を狙い、連中が何を仕掛けてくるか分からない。お前ら、気合いを入れろ!いいな!」
痺れるくらいドスのきいた低音ボイスに、みんなの表情も自然と引き締まった。
鞠家と柚原がいればオヤジが留守でも大丈夫だ。根岸さんから太鼓判を押された柚原さん。俄然やる気になるかと思ったけど、
「あ、そうだ。急用を思い出した」
そそくさと真っ先に逃げてしまった。
「困ったヤツだ」
「能ある鷹は爪を隠すとよく言うだろ?柚原はやる時はやる男だ」
「それもそうだな」
信孝さんとヤスさんも駆け付けて、鞠家さんを中心にこれから起こりうる事態に対処すべく話し合いが持たれた。
「みんな、持ち場に戻っていいぞ」
鞠家さんが何気に後ろを振り返ると、覃さんと宋さんが立っていたから、うぁ~~出た~~!かなり驚いていた。
「失礼なヤツだな。ずっといたのに誰も気づかないんだぞ」
「頼むから、いるならいると言ってくれ。心臓が止まるかと思ったぞ」
鞠家さんが胸に手をあてた。
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