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番外編本部からの緊急召集
「なぁ鞠家、一つ聞いていいか?さっきから俺らに喧嘩を売っている輩がいるんだが、買ったほうがいいか、無視したほうがいいか、どうしたらいい?」
与志之さんがファンティングポーズをとり覃さんに今にも飛びかかりそうな勢いで睨み付けていた。
「おぃ、おぃ、へっぴり腰になってるぞ。それで威嚇しているつもりか?笑わせるな」
ヤスさんが与志之さんにこうするんだと手本を見せた。
「若いからって粋がるはいいか、お前が喧嘩して敵う相手ではない」
「う、うるさいな。玲士さんからも一言言ってくださいよ」
「ヤスさんの言う通りだ。どう頑張っても勝ち目はない。覃さん、与志之は二人に会うのが初めてなんです。無礼をどうか許してください」
玲士さんが頭を下げた。
「玲士じゃないか。久し振りだな。何でここにいる?もう婿入りしたのか?俺とお前の仲だろ?水臭いぞ。そうならそうと言ってくれれば祝儀袋を持ってきたのに」
「婿入りはまだだ。野暮用があってな」
「そうか、なるほどな」
覃さんと笑顔で話しをする玲士さん。
「与志之は新入りだ。お手柔らかに頼む」
玲士さんが与志之さんにぼけっと突っ立っていないで挨拶くらいしろと言うと、仏頂面になりながらも「与志之です。宜しく」頭を軽く下げた。
頭のてっぺんから爪先まで舌舐りをしながら与志之さんをじっくりと眺める覃さん。
「なんでまたヤクザになった?今どき流行らないだろ?お前くらいの別嬪さんなら違う道があっただろうに」
「選択の余地がなかった。それだけだ」
「本当にそうか?」
与志之さんは答えなかった。
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