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番外編地竜さんと与志之さん

「宋さんは大人の事情で敵さんたちに素顔を見せる訳にはいかないみたいです。ですからやむを得ず女性の姿になったみたいですよ」 「宋も綺麗よね」 「髭と脛毛と胸毛を剃って、お肌も爪も入念にお手入れをしているみたいよ」 「ちゅるちゅる」 「すゅべすゅべ」 頬っぺに両手をあてる太惺と心望。声も見事にハモった。 「そうだね。宋さん、ツルツルスベスベで、頬をすりすりしたときチクチクしないもんね」 二人の頭を撫でるとたちまちにこにこの笑顔になった。 「まさか与志之さんが僕たちを狙っていたなんて」 「蜂谷さんと青空さんと婿殿がそれこそ二十四時間交代で未知さんに張り付いてますからね。近付くことすら出来なかったのでしょう。それで子どもたちに狙いを変えたものの、子どもたちには紗智さんと那和さんがついていますからね。怒らせると恐いぱぱたんもいますしね」 「能あるぱぱたんは角を隠す」 「それを言うなら能ある鷹は爪を隠すだよ、那和」 「そうか、なるほど」 ぱちんと両手を叩いた。 「遥琉は大山さんと駐車場にいます」 「遥琉さん、帰ってきているんですか?」 「えぇ。地竜さんが止めたんですよ。遥琉は菱沼組になくてはならない。夫であり父親だ。妻子を悲しませるな、そう言って」

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