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番外編 遥琉さんおかえりなさい

ー卯月さん、今思えば男性客は日本人ではなかったかも知れません。あまりよく覚えていなくてすみません。婿失格ですよね?これじゃ。何一つ役に立てなくて本当にすみませんー 「謝る必要はない。それだけ覚えていれば十分だ」 へこんで落ち込む玲士さんを彼が明るい声で励ました。 「彼は何者なんだ?」 「何者と聞かれてもな。所詮は使い捨ての駒だ」 警察署に到着するなり口から泡をふいて倒れた与志之さん。その場で死亡が確認された。 「人生朝露の如しというがまさにその通りだな」 彼と地竜さんが感慨深そうにため息をついた。 本物の与志之さんが発見されたと第一報が入ったのはその日の夕方だった。 「まさかおやっさんとこうして茶を飲みながら空を見上げる日がまた来るとは。人生何があるか分からないな」 「そうだな」 伊澤さんと大山さんが並んで縁側に座り、お茶を飲みながら茜色に染まる空を見上げていた。 根岸さんは少し離れたところで二人を見守っていた。 焼きもちなんて妬くわけないだろ?口ではそう言っていたけど、胡座をかき、腕を前で組み、憮然として唇を真一文字に結んでいた。それを見た大山さん、 「おやっさんが幸せそうで何より」 ププッと笑っていた。 「話しがすっかり脱線したな。与志之は一時期シェドのセミナーに参加していた」

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