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番外編40年前に起きた事件

「死人に口なしだからな。和真の母親にやってもいない罪を擦り付け、真犯人は今ものうのうと生きている。この女児を殺して遺棄した犯人も罪を償うことなく、時効が過ぎ逮捕される心配もなくなりのうのうと生きている」 「兄ちゃんは義夫さんが犯人じゃないかと疑っていた。ということになりますよね?」 「弓削も眼力があり勘が鋭いからな。突拍子もない話しかも知れないが、義夫夫婦が親を亡くした弓削と久弥を引き取らなかったのは金の問題じゃなく、ハツの他にも誰かいたんじゃないか?娘は東京にいた訳だそれがばれると昔の罪まで暴かれることになるからな。完全犯罪を成し遂げた義夫にとっては死活問題だろ?」 久弥さんだけでなく僕も彼の言葉の意味を理解するまで時間がかかった。 「俺が思うにおそらく義夫は自分に好意がある女を騙し、自宅に連れ込み監禁してペットみたく飼育していたんじゃないか?義夫は女にモテモテで浮気もしょっちゅうしていたからな」 「娘は盆休みで帰省した時に、見てしまったんじゃないか?女を監禁している隠し部屋のなかで夜になると豹変する父親の異常な姿を。義夫はハツを暴力で支配していたから、ハツは義夫の行為を見て見ぬフリをするしかなかった。娘は父親の交遊関係を調べ、やがて自分の出生の秘密を知ることになった。大山が冗談半分で誉は義夫の子供じゃないかと言っていたが、有り得なくもない」

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