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番外編紫さんの直感

「全身傷だらけで裸足でね、ひどく怯えていて、結局のところ名前も何があったか一切何も話してくれなかったの。警察に連絡しないでくださいと泣いて懇願されたのよ。主人と話し合って、茨木さんならどうにかしてくれるんじゃないか、そう思ってね。それで藁をもつかむ思いで茨木さんに連絡をしたの。名前は聞いていたけど面識がなかったからこうなったら当たって砕けろよ」 お祖父ちゃんの名前が出てきたから驚いた。 「急なお願いだったのにも関わらず茨木さんは快諾してくれてすぐに来てくれたのよ。それで彼女を説得して連れ帰りそのまま都内の病院へ入院させたんだけど、それからまもなく亡くなったという連絡が入ったのよ」 噂をすれば影。お祖父ちゃんから電話が掛かってきたから二度驚いた。 「お祖父ちゃんの話しをしていたところなの」 ーそうか、俺もちょうど思い出したことがあって。電話をするより直接未知に話したほうが分かりやすいかと思って。本宮インターを過ぎた辺りだからすぐにそっちに着くー 「お祖父ちゃん、遥琉さん東京から戻ってきたよ」 ーそうか、良かったな無事に帰ってきてー お祖父ちゃんが自分のことのように喜んでくれた。

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