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番外編もし赤い糸があるなら

「案内ご苦労。ダチが菱沼組で世話になっていると風の便りで聞いたから挨拶に来たんだ」 門の外では弾よけも連れず王《ワン》劉帆《リュウホ》さんが鍋山さんを訪ねてきて警備担当の若い衆と睨み合いを続けていた。 「弾よけはほら、そこにいる」 佐治さんがちらっと見た先には電柱の影に隠れる厳つい体格の背の高い男が三人いた。 「神政会か」 「あぁ、そうだ。カシラに知らせてくる。すぐに戻ってくるから待ってろ」 安川さんの家を出たあたりからゆきうさぎ丸の後ろを黒いセダンがぴたりと付いてきた。路肩に停車すると黒いセダンも距離を置いて停車した。バックミラーを見ながら車にあらかじめ乗せておいた防弾チョッキをさっと着るヤスさんと佐治さん。 ヤスさんから聞いた鞠家さんが行こうとしたら、 「俺が行く。カシラはオヤジに報告。姐さんと子どもたちを守れ」 「鍋山、お前は譲治を守れ」 お義父さんと度会さんが急いで佐治さんのもとに向かった。 「俺は鍋山に用があるだけだ。相楽をどこにやったか聞きたいだけだ」 王《ワン》劉帆《リュウホ》さんは相楽さんが行方不明になっていることを知らないようだった。

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