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番外編 堪忍袋の緒

「正解だ。壁に貼ってあったポスターの裏からな。見付けたのは青空だがな」 「さすがは俺のマブダチ。なかなかやるな」 「いつから青空はお前のマブダチになったんだよ?」 「まぁ、いいじゃないか」 宋さんが鳥飼さんの肩に手を置くと、フーさんがむっつりした表情を浮かべしっしと言わんばかりにすばやく払い除けた。 「愛されてるね。いいなぁ~~新婚さんは」 宋さんにからかわれ真っ赤になる鳥飼さん。 「カシラずいぶんと早いじゃないか。帰りは明後日のはずじゃなかったのか?」 根岸さんと伊澤さんが病院から帰ってきた。 「根岸、コイツは鞠家じゃねぇぞ」 伊澤さんもすぐにその事に気付いた。 「しかしなんでまたこんな格好をしているんだ?」 「警備体制の強化と立て直しに決まってるだろ」 宋さんが天井に設置されている防犯カメラを指差した。 「ネットワークカメラ。インターネットに接続された防犯カメラのことだ。離れた場所から現場の映像を確認することができるから防犯や防災を目的に個人や企業、自治体で導入されている。しかし、インターネットに接続されているため、セキュリティ設定が不十分な場合、犯罪者に乗っ取られて画像を見られたり、犯罪に悪用される危険性がある。鷲崎組と宇賀神組のネットワークカメラも何者かに乗っ取られていた。情報が相手側に筒抜けになっていた。宇賀神が千里側に寝返るかも知れない。石山は相当焦っている。りんりん借りるぞ」 鳥飼さんが椅子から立ち上がり宋さんに席を譲った。

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