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番外編未来をうち鳴らす鐘
「ちょうど良かった。そこに森崎がいるだろ?手が空いたらでいいから俺の携帯に電話を掛けるように頼んでほしいんだ。久弥があんべが悪くて臥せっているから元気づけてくれってな」
ー分かった。でも森崎で大丈夫か?五月蝿く騒ぎ立てられて余計に具合が悪くならないか?保健の先生 のほうがいいんじゃないか?ー
「光希がいるのか?」
ーあぁ。心のところに遊びに来ているんだ。呼べばすぐに来るー
彼がチラッと久弥さんを見ると、顔を真っ赤にして両手を前でクロスさせ大きなバッテンマークを作った。それを見た彼。
「裕貴に任せる。なんなら二人いっぺんでもいいし」
クスクスと笑いながらそう返答した。
ーあ、あの~~それ、俺の携帯……なんだけど……ー
鞠家さんの声が聞こえてきた。紗智さんの表情がぱぁ~~っと一瞬で明るくなった。嬉しくて仕方がない。それがこっちまで伝わってくる。そんなとびっきり素敵な笑顔を見せてくれた。写真を撮影して鞠家さんに見せたかったな。せっかくのシャッターチャンスを逃してしまった。なんて思っていたら、カシャカシャと音がして。彼がスマホで何枚も写真を撮影していた。
「以心伝心。未知の心の声が聞こえてきた。送信したから鞠家に見せてやれ。二度惚れして、泣いて喜ぶぞ」
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