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番外編紫竜さん
「これっぽっちも酔っ払ってなんかない。俺は決着をつけに来たんだ。いつもいつもシェドや石山の邪魔ばかりして。本当に腹が立つ連中だよ、お前ら菱沼組は」
しゃっくりをしながら声を荒げる芫さん。
「バウンティ何だか得体の知れない野郎が、シェドや石山を捕まえるだと?ふざけるな!」
「そんなに捕まりたくないならシェドや石山みたく女の背中に隠れていればいいだろ?違うか?意気地無しはどっちだ?虎の威を借る狐はお前らのほうじゃないのか?」
矢継ぎ早に質問責めにする柚原さん。最初こそ余裕綽々として鼻であしらうように笑っていたけれど、的を得た質問にだんだんと余裕がなくなってきたのかしまいには黙り込んでしまった。
「これが何だか分かるか?」
ポケットからてのひらの大きさの黒いリモコンを取り出す芫さん。
「起爆装置か」
「やっぱりすげぇーな。さすがはだてに殺し屋をやってないな」
「正確にいえば元、殺し屋だ。生きた爆弾になるのは己の意思か、それともマインドコントロールされて……」
「どうでもいいだろ、そんなこと!」
柚原さんの言葉を遮り芫さんが声を張り上げた。
「どうだ?怖じけついたか?土下座して許しを乞えば止めてもいいぞ」
いきりたつ芫さんとは対照的に柚原さんは怖いくらいに落ち着いていた。
オヤジと地竜は今頃入院患者と病院スタッフを守るため命がけで紫竜と対峙している。
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