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番外編 守りたい命
女性の助けてという叫び声を聞いて駆け付けた斉木先生と警備員。斉木先生は危険を顧みず紫竜さんと対峙した。
「俺が代わりに人質になっぺ。だから女とややこを解放してくれ。しかしまぁ、おめさんは紫が好きなのか?髪も目も爪も全部紫色で、見れば見るほど水もしたたるいいあんにゃだない。こだごとしてもったいねぇと思わねか?」
「ちゃんとした日本語を話せ」
「おめさんこそちゃんとした日本語を話しっせ。福島弁を馬鹿にすんでねぇぞ」
紫竜さんが女性と赤ちゃんに向けていた銃を斉木先生に向けた。
「撃つなら撃ちっせ!」
鬼気迫る斉木先生に、ふっと一瞬だけ紫竜さんの表情が揺るんだ。
「地竜の若い頃を思い出した。あの頃は素直で従順でとにかくかわいかったのにな」
髪に手を伸ばす紫竜さん。紫色の髪はウィッグだった。金髪のスキンヘッドが現れた。
斉木先生は紫竜さんの顔を見るなり、
「おめさん、あんべが悪いのか?」
化粧でうまく誤魔化したつもりでも顔には火傷のあとがくっきりと残っていた。顔も真っ青だった。
「他人の心配をする前に自分の心配をしろ」
「そだごと言われても、俺は医者だ。あんべが悪い患者をほっとけねぇべした」
どうも調子が狂う、ただ者じゃない、何者なんだこのオッサン、小声でぼやく紫竜さん。
「見て分かっぺ。ただの医者だ」
「ふざけんな!質問に答えろ。何者だ?」
銃を突き付けられても毅然とした態度を崩さない斉木先生に疑いの目を向ける紫竜さん。
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