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番外編 守りたい命

パトカーのサイレンの音がけたたましく聞こえてきて、チッと舌打ちする紫竜さん。銃を下ろし懐に入れようとした時だった。 「别动!再动我就开枪了! 《ビェ ドン!ザイ ドン ウォ ジィウ カイ チィアン ラ!》」 ドスのきいた低い声が背後から聞こえてきたのは。 「相変わらず神出鬼没だ男だな。会いたかったぜ地竜」 ニヤリと笑う紫竜さん。 「俺は二度とお前なんかに会いたくなったぞ」 「なぁ、地竜、俺を撃ったら目の前にいる医者が死ぬことになる。それでもいいのか?」 「問答無用、子どもでも女でも、たとえ動けない年寄りでも容赦なく殺してきたお前が獲物を心配するとはな。初めてじゃないか。どういう風の吹きまわしなんだ?」 「コイツもお前と同じでただの医者じゃない。お前より使えるかもな」 「斉木ドクターは頼まれてもお前みたいな唯我独尊の悪魔の言うなりにはならない。諦めろ」 地竜さんが引き金に指を置いた。 山のような洗濯物を紗智さんたちと手分けして畳んでいたら、彼と地竜さんの声が聞こえたような、そんな気がして手を止めて、急いで玄関に向かった。 「お帰りなさい」 「ただいまです。嬉しいな、姐さんに出迎えてもらえるなんて」 玄関のドアが開いてヤスさんと佐治さんが一緒に帰ってきた。

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