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番外編男の約束

一時間前から微動だにせず茜色の夕空を見上げ、かぁかぁと鳴きながら飛んでいく烏をじっと見つめる譲治さん。 「ただいま!」 一太たちの元気な声が聞こえてくると、 「良かった。帰ってきた」 握っていた丈箒を放り投げると玄関へと急いで向かった。 「じょうじさんただいま。これで良かったの?」 一太から紙袋を渡され、なかを覗く譲治さん。 「これ、これ。ありがとう一太くん。食べたかったんだ、これ」 たちまちニコニコの笑顔になった。 「ゆべしが食べたいって、じょうじさんって面白いね」 一太に言われ、 「うん、面白いね」 譲治さんがおうむ返しした。 「パパかえってきた」遥香たちが一斉に走り出して。勢いよく彼や地竜さんへと飛び込んでいった。三人とも行きたくても行けなくて、事情が事情だけに我慢するしかなくて、彼と地竜さんと一太たちが帰ってくるのを今か今かと、首を長くして待っていたから、嬉しさが一気に爆発した。 「ただいま」「留守番ありがとうな」彼も地竜さんも膝立ちになると、顔を覗き込み、嬉しそうに三人の頭をぽんぽんと優しく撫でてくれた。 そこへ、 「ハルちゃん、みゆちゃん、ただいま」 「お久し振りです」 チカお姉ちゃんと一緒に予想もしていなかった人が現れたものだから、 「え?えぇ~~!」 遥香が驚いたような声をあげた。

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