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番外編男の約束

「若井さんたちに地竜さんの正体がバレたとか」 「バレたとしても、若井さんのほうが誰にも言えないような隠し事がたくさんあると思うの。巡りめぐって最後には自分に回ってくるわ」 「地竜さんを叩けば自分の首を締めることになりませんからね。黙っていたほうが身のため。若井さんはずる賢い男です。悪知恵だけには長けていますからね」 「ねぇねぇチカちゃん」 二人と会話をしていたら、幸ちゃんが遠慮がちにツンツンとチカちゃんの袖を引っ張った。 「もうかえっちゃうの?みゆちゃん、まだあそんでないよ」 眠いそうに目を擦りながら聞く幸ちゃん。 「まだ帰らないわよ。今日はお泊まりするわ。だから安心していいわよ。お昼寝していいわよ。おいで、抱っこしてあげる」 チカちゃんの膝の上に乗り向い合わせで座ると、脇の下に手を入れコアラみたく体にぎゅっとしがみついてものの数秒でストンと寝てしまった。 「会わないうちにみんなあっという間に大きくなっちゃうだもの。子どもの成長は嬉しいけど、ちょっぴり寂しいわ」 チカちゃんが幸ちゃんの背中を撫でながら両手で小さな体をそっと抱き締めた。

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