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番外編コウジさんの後輩

過足さんも弓削さんと同じようにかなり訛っている。にいぱっぱは国道288号線、三春街道のことだとヤスさんから教えてもらってはじめて知った。福島弁はなかなか奥が深い。 自分の荷物のなんかすっかり忘れている玲士さん。子どもたちと遊ぶ亜優さんをうっとりと眺めていた。 「チカちゃん代わるよ。足痛いでしょう」 「大丈夫よ。心配してくれてありがとう」 「だって」 紗智さんがちらっと後ろを見た。 「あら、ずいぶん早かったのね」 にっこりと満面の笑みを浮かべるチカちゃん。 息を切らして立っていたのは国井さんだった。 「一本早いのに乗れたから早く着いたのはいいんだが、若井が駅の構内をうろうろしていて、見付かるとまた面倒なことになるから、走って逃げてきた」 国井さんがチカちゃんの隣にゆっくりと腰を下ろすとポケットからハンカチを取り出し額の汗を拭った。 「若井と鬼ごっこはもう懲り懲りだ。しつこくで困る。鬼ごっこするならこどもたちのほうがいい」 胸の内を漏らした。

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