3213 / 3632
番外編コウジさんの後輩
「あれ、玲士と地竜は?ここにいると聞いたんだが」
「さっきまでここにいたよ。一太くん知らない?」
めぐみちゃんが一太に聞くと、
「二人とも電話をしてくるって言ってたよ」
「そうか、ありがとう」
国井さんが玲士さんと地竜さんを探しに行こうとしたら、
「果報は寝て待てってよく言うから、動かないでここにいたほうがいいと思うよ。また、行き違いになるよ」
「それもそうだな。じゃあ、待たせてもらおうかな。みんな何をしているんだ?」
座卓に透明なテーブルクロスを敷いて何やら準備をしている子どもたちに聞くと、
「ぎょうざをつくるの」
「あとね、しゅうまいも」
「さっちゃんとなおちゃんが先生だよ」
「そうか。本場の味が食べれるなんて贅沢の極みだ。さっき昼を食べたばかりなのにもうお腹が空いてきた」
国井さんが笑いながらお腹に手をあてると、
「めぐみちゃん見て」
「すごいよ、かたいよ」
奏音くんと優輝くんが国井さんのシャツをペロッと捲り、露になったお腹をぺたぺたと触りだした。
「もう、やだ」
顔を真っ赤にし両手で顔を覆うめぐみちゃん。
「卯月と地竜とどっちが固い?」
「どっちも」
「そうか」
日々の鍛練の賜物である自慢の筋肉を褒められ、まんざらでもないのか照れながらも嬉しそうだった。
「国井さん、セクハラだよ。お腹をしまって。見せなくてもスゴいの分かるから」
紗智さんの鋭いつっこみに、うんうんと何度も頷く那和さんと亜優さん。
ちょうどそのとき、彼と地竜さんと玲士さんが三人仲良く連れ立って戻ってきた。
ともだちにシェアしよう!