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番外編賑やかなひととき
「向こうは水餃子が主流なんだ。焼くってはじめ聞いて、焼くのって聞き返した」
「紗智も那和も、焼くは焼くでも、焼きもちを妬くほうの妬くだと思っていたんだよな。三ヶ月くらいずっとな」
「高行さん、それ以上は禁句」
「変なことばっかり思い出すんだから」
顔を真っ赤にする紗智さんと那和さん。
「前々から思っていたんだけど、二人とも日本語がとっても上手よね」
チカちゃんが二人に声をかけた。
「先生がいいから」
チラッと地竜さんを見る紗智さんと那和さん。
「真砂哉がね、お前らはどうせ使い捨てだ。代わりは幾らでもいる。閨事《グゥイ シー》以外必要のない日本語は覚える必要はないと教えてくれなかった。あとで使い捨てと言ったことは謝る、撤回すると僕たちに謝ってくれて、日本語を教えてくれた」
「柚原さんと一太くんにも感謝だね」
何気に発した紗智さんの言葉に那和さんがぷぷっと吹き出した。
「紗智、一番大事なひと、忘れてない?またへそを曲げられるよ」
「やだ、もう」
紗智さんが恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「翔さんから株でかなり儲けて無職とは思えないくらい豪勢な生活を送っていると聞いて、株でそんなに儲かるのかなと疑心暗鬼だったんだ」
「礼さんは深窓育ちのお坊ちゃんだ。一人立ちしたからには社会の荒波も自分で乗り越えていかなければならない。何も知らないばかりに損したり、みんながみんないい人ばかりではない。悪い人にいいように利用されて騙されることだってある。額田さんもそれを一番心配していた」
スマホを見つめるナオさんの肩をそっと抱き寄せる信孝さん。おでこにちゅっと軽くキスをした。
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