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番外編賑やかなひととき

「どうかした?」 「たいしたことじゃない。いつも未知にねっぱっている地竜がいないから珍しいこともあるものだと思ってな」 「女子会にまざって一緒にお茶してるよ」 「だからか、チカと亜優と紗智と那和の姿がさっきから見当たらないのは。なるほどな。未知はまざらなくていいのか?」 「さっきまで参加してた。陽葵が起きたから抜けてきたの」 「そうか」 あーうーと言いながら僕の腕の中で手足を元気にぱたぱたと動かす陽葵。おめめぱっちりだから当分寝そうにもない。 「寝たら今日こそは爪を切らなきゃ、そう思っていたんだけどなかなかタイミングが合わなくて」 眠気に勝てずに寝落ちしてばかりいる。 「だから顔に引っ掻き傷があるのか。陽葵が寝たら切っておくよ。だから未知は先に寝ろ」 ぷにゅぷにゅの頬っぺを指先で優しく撫でてくれた。そのあとで顔を覗き込まれ、おやすみと言いながら頬っぺに軽くキスをしてくれた。 「陽葵、パパっておいで。同じ夜行性同士、仲良く遊ぶぞ」 笑顔で陽葵を抱っこしてくれた。 「あ、そうだ。遥琉さん、信孝さんの悲鳴が聞こえてきたんだけど、何かあったの?」 「たいしたことじゃない」 くすくすと思い出し笑いをする彼。 「ナオと二人きりになれると喜んでいたのにお邪魔虫が乱入したんだ。喜んだのもつかの間。結局糠喜びで終わった」 「お邪魔虫ってもしかしてチカちゃん?」 「どうしてそう思った?」 「遥琉さんも縣三兄弟も情に厚く、愛妻家で伴侶をとても大切にするでしょ?りょうお兄ちゃんに夫婦円満のコツを直に聞くことが出来ないから信孝さんに聞こうとしたとか?」

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