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番外編福光家の呪い

「人は見かけによらぬもの、よくいうだろう」 自信満々に答えた地竜さんに、ちょっとやそっとでは動じない柚原さんと鞠家さんも呆気にとられていた。 「彼の名前は吉崎。福光翔というもうひとつの名前を持っている男だ。信孝が社長をしている会社の副社長だ。何回か会っているはずだ」 「そうなのか?全然記憶にないぞ。というか俺は基本未知しか眼中にないから、いちいち覚えていない」 「そう答えると思ったよ」 柚原さんがやれやれとため息をついた。 礼さんのお姉さんを空港まで迎えに来た男は都内にある法律事務所の職員だった。礼さんのお姉さんの電話の相手は恋人じゃないかと柚原さんが。別れる、別れないで揉めていたみたいだった。口喧嘩がヒートアップし大声で殺してやると叫んだ女性に空港内にいた人たちが眉をひそめていた。 「人様の迷惑も考えないで何をしているんだか」 「この声、どこかで聞いたことがあるような、ないよな」 鞠家さんが首を傾げながら腕を前で組んだ。 「どっちなんだ?ハッキリしろ」 「そう言われてもな。ちょっと待ってくれ、助っ人を呼ぶから」 鞠家さんが携帯電話を耳にあてた。 「大至急台所に来てくれないか?」 助っ人って誰なんだろう?蜂谷さんと青空さんかな?それともヤスさんと佐治さんかな?それとも根岸さんと伊澤さんかな?ドキドキしながら待つこと数分。 「呼ばれたから来たぞ」 仲良く一緒に顔を出したのは玲士さんと亜優さんだった。 「手を繋げるまでに進展したか。良かったな」 「いやぁ、そ、それは……」 顔を真っ赤にさせる玲士さん。 「こ、これには、り、理由が……」 しどろもどろになりながら言葉を継いだ。

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