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番外編福光家の呪い
「遥琉に隠し子ですか、未知さんとひまちゃんの前でなかなか面白いことを言いますね」
「た、橘!」
気配もなく陽葵を抱っこした橘さんが現れたものだから鞠家さんが飛び上がるくらい驚いていた。
「頼むから驚かせないでくれ。心臓が止まるかと思った」
「さっきからいましたよ。ずっと。未知さん、ひまちゃんをどうぞ」
橘さんから陽葵を渡された。
「小さなママたちがオムツを交換して、お世話をしてくれてました」
「良かったね陽葵」
話し掛けると嬉しそうにニコニコと微笑んだ。
「遥琉さん、隠し子といえば吉崎さんも、福光家の長男として生まれながらその存在をずっとひた隠しにされてきたんだよね?礼さんのお父さんもかなり浮き名を流してきたんだよね?あと一人くらい隠し子がいてもおかしくないよね?突拍子もない話しかも知れないけれど、本当は礼さんの相手をつとめるはずだったのはその人で、実は隠し子だと判明してさすがに実の兄弟をそういう関係にさせるわけにもいかないと、それでナオさん代わりに選ばれてしまった。そんな経緯があったとか……さすがにないよね?ごめんなさい、自分でも何を言ってるのか分からなくなっちゃった」
本当にどうにかしている。
「部屋に戻るね」
立ち上がろうとしたら、吉崎さんが驚いた表情で立っていたからびっくりした。
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