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番外編開けてはならないパンドラの箱

「せっかくのお休みの日なのにわざわざ来ていただきすみません」 「いえ、こんなのどうってことないですよ。ヤスさんの頼みを無下に断ったりしたら、副島と斎藤に口を聞いてもらえない。それこそ死活問題です。携帯を見せてもらってもいいですか?」 「はい」 ポケットから取り出して吉村さんに渡した。 チラチラとこっちを見る視線に気付き後ろを振り返ると戸が少しだけ開いていて、こっちを心配そうに覗き込んでいる男性がいたから心臓が止まるんじゃないかそのくらいびっくりした。吉村さんと同い年くらいかな?さっき吉村さんが話していた副島さんか斎藤さんのどっちか。はじめて会う男性だった。吉村さんはまったく気付いていない。教えようかと思ったけど、ヤスさんに止められた。 「最近、電話料金の滞納がありますなど電話の自動音声ガイダンスを使った新しい手口の詐欺事件が起きているんです。ガイダンスに従いお客様センターを選択すると実在する金融会社の社員を名乗る男が出てきて、裁判を起こすといわれ高額の電子マネーを騙し取られる被害が続発しているんです。未知さんに掛けてきたこの電話番号もそうです。それとは別に気になることが。迷惑メールも一時間そこらで二十件以上来てます。動作も遅いし、電池の減りも早い」 やはり乗っ取りか?」 「部外者が屋敷を出入りしたことは?」 「心当たりがないわけじゃない。あるとしたら一人しかいない。もう日本にはいないがな」  

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