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番外編開けてはならないパンドラの箱

「福光三姉妹のほうは千里に頼むことにした。玲士にも仕事を頼んだ」 「礼さんの弟のほうは俺が調べる。ちょっとしたつてがある」 彼も地竜さんもいつになく真剣だった。 「未知とナオと四季を守るためためなら何でも出来る。あとであの時こうすれば良かったんだと後悔するくらいなら、今できることを精一杯やるしかないだろ?」 「遥琉さん、吉村さんと斎藤さんはなぜ僕たちに協力してくれるんですか?普通なら関わりあいを持ちたくないはずです」 ずっと疑問に思っていたことをおそるおそる聞いてみた。 「橘に借りがある」 「それに乗りかかった船だ。今さら引き返せない」 吉村さんと斎藤さんに聞こえていたみたいで彼より先に答えが返ってきた。 橘さんが帰ってくる前に帰る予定が思いのほか話しが弾み、 「パパ、ママただいま。ハルちゃんかえってきたよ」 遥香たちが帰ってきた。 「こんにちはー」 彼に言われる前にぺこっと頭を下げて挨拶する遥香。 「ディ……」 「遥香、違うよ」 首を横に振った。地竜さんじゃなくて優先生だよ。ヒヤヒヤした。ちょうどその時、 「はるせんせー、ゆうせんせー、ただいまー!」 めぐみちゃんと幸ちゃんが手を繋いで客間に入ってきた。 「幸、ごあいさつは?」 「はずかちい」 幸ちゃんがめぐみちゃんの背中に隠れてしまった。 「幸、ちゃんとこんにちはをして」 「やだ。はずかちい」 ぶんぶんと首を横に振る幸ちゃん。

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