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番外編開けてはならないパンドラの箱

「四季は今度こそなにがなんでも和真と幸せになる。城さんと若井さんと佐瀬さんに絶対に邪魔させない。警察は市民を守るのが仕事なんじゃないのか?弱いものと困っているひとの味方なんじゃないのか?それなのに寄ってたかって四季ばかり目の敵にして。二年前だってそうだろ?」 斎藤さんがヒクッヒクッとひゃっくりをしながら言葉を継いだ。 「斎藤、飲み過ぎだ」 吉村さんが斎藤さんの手からコップを無理やり奪い取った。 「すまない」 国井さんが頭を垂れた。 「国井さんはなにも悪くないし、千景もなにも悪くない」 「謝るんだったら時間を巻き戻してください。四季は、やってもいない罪で濡れ衣を着せらせ逮捕され、あいつらにこう言われたんですよ。将来有望な警察官たちを守ってなにが悪い?それと比べて両性の気色悪いお前など……ーー」 「斎藤もういいから」 吉村さんが声を荒げた。 「言いたいことは分かる。でも子どもたちの前でする話しではないだろ?」 「分かるよ。警察官が二人もいるのも分かるよ」 「斎藤さん、ちょっといいかな?」 国井さんがすっと立ち上がった。 「あ、あの……」 吉村さんが斎藤さんを庇うような仕草を見せた。 「別に取って食わないから心配するな。詳しく話しを聞きたいだけだ」 国井さんが斎藤さんの手首を掴むと、そのまま隣の部屋へと連れていった。

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