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番外編開けてはならないパンドラの箱
「分かった。ハチを迎えに行かせるから改札口の前から動くなよ」
ーありがとうハルお兄ちゃんー
「国井は?」
ー東京行きの新幹線も遅れてはいるけど動いているみたいだからホームで待っているってー
「そうか。何かあったら連絡を寄越してくれと伝えてくれ」
ーうん、分かったー
方向音痴なんだ。改札口の前から絶対に動くなよ。口酸っぱく釘を刺してから電話を切ると、すぐに蜂谷さんに電話を掛けた。
「斎藤は酔っ払うと自分から服を脱ぐ癖があるみたいだな。ハチを吉村と勘違いして抱きついて離れないみたいだ。ハチの代わりに鞠家と玲士を向かわせる」
「蜂谷さんも大変だね」
青空が引き離そうとしても頑として動かないみたいだ。酔っ払いの馬鹿力も侮れないからな
彼が若い衆にふたりを呼ぶように頼むと、一分と経たずにふたりが駆け付けた。
「鞠家、玲士、悪いがチカを迎えに行って、その足で仙台に向かって欲しい」
「仙台には共同捜査で何回か行ったことがある」
「俺は大学二年の春休みに鈍行で遊びに行ったきり行ってないな」
「オヤジ、折り入って頼みがある」
「紗智を連れていってもいいかってだろ?」
「なんで分かった?」
「誰だってそのくらい分かる。連れていくのは構わないが目立つ行動だけは控えてくれ。鷲崎組が撤退したあと、楮山組と神政会の三次団体が幅を利かせているからな」
「分かった」
「あの~~卯月さん、鞠家さん。亜優と那和も連れていってもいいですか?」
玲士さんがそろりそろりと右手を挙げた。
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