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番外編開けてはならないパンドラの箱
「信孝が選んだナオを守るために兄として家族として何をすべきか。遼成は福光家を敵にまわしてもナオを守りたい、面倒なことになるからかかわり合いを持ちたくないと渋る遼禅さんを説得し、遼禅さんはナオを養子として迎えた。ナオも知っている通り遼成は究極のツンデレだ。ナオのまえではツンツンしてどこかよそよそしいが、決して本音を口にしないが、本当は未知と同じくらいにナオがかわいくて仕方ない。いじくりこんにゃくしたいくらいに構いたいと思っている。もしナオの親が生きているとして、めぐみの苑のニュースが出たとき自分の子供がいるか問い合わせくらいするだろ?」
上着を肩に担ぎ彼が帰ってきた。
「遼成がナオが置き去りにされていたという病院に直接行って当時の話しをいろいろと聞いてきた。さすがに二十年以上も昔のことを覚えているひとは少なかったが、看護婦長は当時のことを覚えていた」
「え?」ナオさんが驚いたような声をあげた。
「初めて聞いただろ?遼成は信孝にも話さなかったからな」
彼がナオさんにボイスレコーダーを渡した。
「玲士が遼成から預かってきた。看護婦長はそのときの赤ん坊が成長し、しあわせな家庭を築いたことを知るやいなや泣き崩れたそうだ。親に関する手がかりが見つかればいいな」
「遥琉さんまた出掛けるの?ご飯まだでしょう?」
「吉村と斎藤から急用があると呼ばれたんだ。食べている暇がないから行くよ」
「おにぎりならすぐ作れるから待ってて。遥琉さん、譲治さん、ふたりをお願いします」
急いで台所へと向かった。誰もいないと思ってドアをあげたら冷蔵庫が開いていて人影があったから、
「うわぁ~!」
驚いて後ろにひっくり返りそうになった。
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