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番外編開けてはならないパンドラの箱

「驚かせたな。ジョーを探していたら冷蔵庫が開いてるぞと呼んでいたから、閉めようと思ったら何かが奥に挟まっていて閉まらない。見てくれないか?」 そこにいたのは覃さんだった。 「太惺と心望にとって冷蔵庫は夢の玉手箱みたいなものなので開けて悪戯していたのかも知れません」 「この高さだぞ?」 「ふたりとも日々成長しているんですよ。昨日までは手が届かなった場所も今日は手が届いているんです。見ていないようでちゃんと見ていて豆椅子を見付けて運んできたりと知恵もどんどんもついています」 「頭がいいな。スゲエな」 「譲治さんふたりの面倒をみてくれています……あっ」 しまったと思ったときは既に遅かった。 「案ずるな、未知と子どもには焼きもちを妬かない。俺も大人にならないとな。いつまでも子供というわけにはいかないだろ?俺も日々成長しないとな」 ゴツンと鈍い音がして、 「いて」 覃さんが頭を擦りながら顔を上げた。 「これが奥に挟まっていた」 出てきたのは片方の靴下だった。 「なぜか最近片方だけ靴下がなくなるから変だなと思っていたの」 犯人はやっぱりいたずら大好きの太惺と心望だった。 「もしかしてこれがびっこたっこというヤツか?未知すごいな、日本語は面白いな」 ルンルン気分で鼻歌を口ずさみながら冷蔵庫のなかをごそごそと探す覃さん。

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