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番外編開けてはならないパンドラの箱
「今はネットの誹謗中傷の書き込みに対し開示請求が出きるんですよ。もちろん知ってますよね?長谷川さんも安藤さんもあなた方に門前払いされても福光家の悪口は一切言っていないし、攻撃的な書き込みもしていない。にも関わらず犯人扱いされ、あることないこと言われ精神的に追い詰められて……」
そこで言葉を止めると封筒を白髪の男性に突き出した。
「人を痛め付けて苦痛に歪む顔を酒のつまみにし、血を見ると異常に興奮する性癖を持つ親子なんて福光直司さんと礼さんとつさかさんしかいない。私はそう思いますよ。親が親なら子も子。雇い主が雇い主ならろくな弁護士がいない。金儲けしか考えてない。間違ったことを言ってませんよ。ちなみに喧嘩も売ってませんよ」
刺のあるハイトーンボイスで男性らをねちねちと責め立てる森下さん。すごく愉しそうだ。目がキラキラと輝いている。
「覃さんと宋さんよりもある意味彼の方が変態かも知れませんね。上には上がいるとよくいいますしね。強烈な個性の持ち主ばかりなぜこうも集まってくるのでしょうね。頭が痛くなってきました」
橘さんがやれやれとため息をつきながら額に手をおいた。
「私としたことが話しの途中でしたよね?横槍を入れてしまい大変失礼しました。終わるまで待たせてもらいますね」
森下さんがナオさんの隣に腰を下ろした。
「あなたが卯月未知さんですね。ナオがお世話になっています」
顔は笑っていたけど、ふてぶてしいふたりの態度がよっぽど腹に据えかねているのか目は笑ってはいなかった。
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