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番外編開けてはならないパンドラの箱

「途中で抜けてきたけど大丈夫かな?」 陽葵をあやしながらぼそっと呟くと、 「橘さんと柚原さんがいるから大丈夫。なるようにしかならないよ 「ねえさん、ナオさんの言う通りです」 ナオさんとヤスさんに明るく励まされた。 「ヤスさんは森下さんとお知り合いだったんですね。まさかこんなところで会えるとは思っていなかったから驚きました」 ナオさんが声を掛けると、 「森下とはついさっきはじめて会いました。彼にここに来るように頼んだのは茨木さんですよ」 「え?そうなんですか?」 「え?お祖父ちゃんが?」 まさに寝耳に水。全然聞いてなかったからなおさら驚いた。 「俺も知らなかったんですが、茨木さん、めぐみの苑の出身の子どもたちを何かと気にかけて、陰ながらずっと支援を続けてきたそうです。ですから森下と、ねえさんがさっき言っていた長谷川さんと安藤さんとも知り合いだそうです。さすがは伝説のヤクザ。茨木さんです」 ヤスさんがお祖父ちゃんのことを誉めちぎっていた。 聞いている僕らが恥ずかしくなるくらい「ナオ、ナオ」と連呼する森下さんの声がはっきり聞こえてきて、 「みっけ!」 満面の笑みを浮かべて森下さんが姿を見せた。 「かわゆぃ!もしかして、もしかして、未知さんの赤ちゃん?」 「は、はい」 さっきまで男性の声だったのに。いつの間にか女性の声になっていたから呆気にとられてしまった。

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