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番外編開けてはならないパンドラの箱

「ヤスさん、柚原さんはなんて言ったんですか?言いたくないならいいです」 「森下はエスだ。柚原はそう言った」 柚原さんは森下さんをそれとなく監視していた。 「エスということはつまり森下は公安のスパイか。スナックのママも、消費者金融の社員も世を忍ぶ仮の姿だということになるな」 「子どもの話しも作り話なの?」 「いや、子どもの話しは本当だ。森下は母親と死に別れた二人の子どもを手元に引き取り育てている」 「森下さんは大山さんの情報提供者なの?」 「さぁ、どうかな。本人に聞くのが一番手っ取り早いがおそらく教えてはくれないだろう」 ちょうどその時彼の携帯がパパ電話だよ~~と鳴った。 「噂をすれば何とやらだ」 電話を掛けてきたのは大山さんだった。 ー海外の諜報機関や国際テロリズムを監視する部署がある。紫竜やシェドは危険な国際テロリストとして監視対象になっている。彼らはいまだに謎のベールに包まれている死神のボス・地竜の情報を必死に集めている。何を言われても俺はへっちゃらだー 「大山悪いな」 ーだってそこにいるのは優先生だろ?それに俺の千ちゃんラブは一生変わらない。実は今度、千ちゃんと飯を食いに行くことになったんだー 「そうか。それは良かったな」 電話の向こう側の大山さんの声は弾んでいた。話しぶりからお姉ちゃんのことが好きで好きでたまらない。大山さんの一途なまでの想いがひしひしと伝わってくる。

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