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番外編開けてはならないパンドラの箱
「もしかして四季と和真の姉のことを心配してるのか?案ずるな。二人とも何があっても守るから。あいつらのいいようにはさせない」
「卯月さんはすごい」
「なんで?」
「だって誰だって厄介事には巻き込まれたくないし、関わりたくはない。素知らぬ顔で避けて通るのに卯月さんは見てみぬふりせずちゃんと立ち止まってくれる。他人でも気にかけてくれる。それに……」
「もっとあんのか?そだに誉められたら照れるじゃねぇか。信孝に焼きもちを妬かれっぞ」
ナオさんがププッと吹き出した。
「笑ってごめんなさい。弓削さんみたく訛っているから、それでつい」
「それだけ福島に馴染んだってことだ」
彼も愉しそうに笑っていた。
「弓削さんに会いたいな。未知さんもでしょ?恋しくて仕方がないんじゃない?」
「僕もだけど遥琉さんも子どもたちも、ヤスさんも、全員弓削さんが恋しいし、会いたい」
「もしかして卯月さんに焼きもちを妬かれるから明言を避けた?」
「へ?」
「お互い大変だよね。すぐにブスッとするし、急に黙り込んで喋らなくなって。顔をみると目を吊り上げて怒ってるし。なんでそんなことですぐに焼きもちを妬くかなっていつも不思議なんだ。斉木先生にまで焼きもちを妬いて機嫌が直るまで半日もかかったんだよ」
「飼っているメダカに心さんが笑顔で話し掛けているのを見て、ひろお兄ちゃんがメダカに焼きもちを妬いて、素揚げにしてやろうかって脅して大変だったって」
「裕貴さんが?」
ナオさんが笑い出した。
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