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番外編開けてはならないパンドラの箱

「考えてみたら遼成さんも龍成さんも蒼生さんもみんな焼きもち妬きなんだよね。それに構ってちゃんで」 「ナオ、噂をすれば影だ。冗談抜きで電話が掛かってくるからそこら辺でやめておいたほうがいいぞ」 彼が苦笑いを浮かべた。 ふと庭に目を遣ると地竜さんと譲治さんが空を見上げていた。 「どうした?」 「雲行きが怪しいなと思ってな。雨の匂いがするし、雷の音がする。それに黒い雲が集まってきている。いつ雨が降ってくるか分からない。洗濯物を急いで取り込んだ方がいい。譲治は頭と腰が痛いそうだ」 「頭と腰?もしかして気象病というヤツか?」 「女性が多いが、患者には男性もいる」 地竜さんの表情が冴えなかった。 「心配事がまだあるのか?」 「鞠家たちのことだ。大丈夫かなとふと心配になった」 「心配しなくてもそのうちマーに会いたかったって賑やかに帰ってくる」 「それならいいが……」 言葉を濁すとひとつため息をついた。 「長居し過ぎたかな。予定ではすでに日本を離れている。公安に正体がバレ、見付かるのも時間の問題かも知れない。卯月、立ち話はこの辺にして。未知を手伝いにいかないと。ひとりでは大変だ」 彼と地竜さんが洗濯物を取り込むのを手伝ってくれたおかげであっという間に終わった。 「地竜さん」どたどたと譲治さんが駆けてきて。地竜さんの背中に勢いよく抱き付いた。 「出来れば未知に突っ込んできてもらいたかったが。まぁ、いいか。どうした譲治?」 地竜さんが後ろを向くと背中に顔を埋めたまま譲治さんが嫌だと言いながら首を横に振っていた。

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