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番外編開けてはならないパンドラの箱
「マー、バグさせて」
「僕も」
紗智さんと那和さんがぎゅっとしがみついてきた。
「亜優さんもおいで」
手招きするとにこにこと満面の笑みを浮かべて飛び込んできた。
「口には出さないけどバーバも地竜さんも三人のことをすごく心配していたんだよ。だから注意したの。けっして怒りたくて怒った訳じゃないからね。そこは誤解しないでほしいの」
「お腹空いたでしょう?ご飯を食べよう」
鼻をずずっと啜りながら笑顔で頷く三人。仲良し兄弟、息もピッタリだ。居間へ移動すると彼が誰かと電話で話しをしていた。
「そうだ。吉柳会だ。組長のことを教えてほしいんだ。いつでもいいから連絡を寄越してくれ」
話しぶりから電話の相手は鷲崎さんじゃなくて七海さんか、もしくは森崎さんみたいだった。彼と目が合うなり手招きされた。
「何、遥琉さん?」
なんの不信も抱かず彼に近づくと、通話中のままぎゅっと抱き締められた。
「は、遥琉さん!」
驚いて思わず声が裏返ってしまった。
ー子どもに焼きもちを妬いてもしょうがないのに。本当困ったひとだねー
クスクスと笑う七海さんの声が背中のほうから聞こえてきた。
ーでも良かった。みんな無事でー
「七海さんも元気そうで良かったです」
自然と笑みが溢れた。
ー未知、焼きもち妬きがもうひとりいるってこと忘れてない?ー
七海さんに言われすっかり地竜さんの存在を忘れていることに気づいたけど、その前に地竜さんにもぎゅっと抱き締められた。
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