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番外編どっちが子どもなんだかわからないね
「たいくん、ここちゃん、ごめんな、遅くなって。ぽちゃぽちゃに入ろうな」
子どもたちをお風呂に入れるために柚原さんも帰ってきた。
「ねえさん、ひまちゃんに保湿クリームを塗ってあげてください。佐治に預けてきたのであとは頼みますね」
「陽葵?あれ寝ていたはずじゃ」
「起きてましたよ。佐治の指を握って離さなくて。笑顔が可愛いとメロメロになっていました」
「起きているのに全然気付かなかった」
「泣かずにいたからでしょう。機嫌良く笑っています」
太惺と心望をお風呂場に連れていってくれた。
「相変わらず神出鬼没だな、柚原は。いつもナイスなタイミングで現れる。どこかにカメラが隠してあったりして」
キョロキョロとあたりを見回す地竜さん。
「カメラなんてそんなものありませんよ。遥琉と寝食を共にしていつもそばにいるんですもの。分かりますよ」
片付けをしながらクスクスと笑う橘さん。
「じゃあ橘もか?」
「えぇ。遥琉とは長い長い付き合いですからね」
「橘、それ以上はお口チャックだ」
彼が急にそわそわしはじめた。
「あら、どうしてですか?別にやましいことはしていませんよ。相変わらず変な人」
ププッと吹き出した。
ずらりと居並ぶ幹部を前にすっかり萎縮して背を丸め小さくなっていた玲士さん。
「腹が減っただろう。食べながらでいいぞ」
彼が声を掛けるとようやく箸に手を伸ばした。
「三年くらい前、祖母の年金を不正に受給していたとして同居していた次男夫婦が逮捕されたんです。いまだに祖母は行方知らずです。次男夫婦は生活保護を受けていました」
緊張からか玲士さんの声はガチガチに震えていた。
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