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番外編どっちが子どもなんだかわからないね
「ま、鞠家さんは、ご、ご……」
「玲士、車のなかでも言ったはずだ。オヤジの婿になったからといって気負わず頑張れってな」
「そ、そうなんですけど……ば、場所が……俺には不相応です」
隣に座る彼と鞠家さんを交互にチラチラと見る玲士さん。
「まぁ、そう言わずに。隣にいてくれ」
彼がくすっと笑った。
「鞠家さんはマル暴の刑事だったんですよね。知るわけないですよね。すみません変なことを聞いて」
「別に変なことではない。若い刑事がおやっさんに何度も相談に来ていたから覚えているよ」
「すげぇーな。記憶力ハンパないですね」
はっとして口を押さえる玲士さん。
「俺はため口は大歓迎だが、オヤジに対しては言葉遣いに気を付けるように」
鞠家さんが笑顔でやんわりと答えた。
「すみません以後気を付けます」
しゅんとして項垂れた玲士さんに、
「おぃ玲士、話しはそれだけか?」
幹部が声を掛けた。
「次男夫婦も不正に生活保護を受けている疑いが浮上して、証拠隠滅の恐れがあるのでケースワーカーとアポ無しで訪問したんです。普通はちゃんとアポをとりますが」
「それで?」
「もぬけの殻でした。慌てて窓から逃げたんでしょう。あかりもこたつもつけっぱなしだった。その後押入れから人骨が出てきて大騒ぎになったんです。次男夫婦の名字は森下と同じ森下なんです。森下はやない金融や椎根金融などあちこちから借金をしていた。いまだに逃亡を続けています」
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